Jリーグにビッグクラブは現れるのか?

Jリーグ

「ビッグクラブ」

サッカー好きなら一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、ビッグクラブと聞いてどんなクラブを思い浮かべますか?
レアルマドリード、FCバルセロナ、マンチェスターU、バイエルンミュンヘン・・・
人それぞれとは思いますが、Jリーグのクラブが出てくる方は少ないと思います。
昨今Jリーグにはビッグクラブが必要だ!という声がよく聞こえてきますが、本当に必要なのでしょうか?
今回はJリーグとビッグクラブについて考えてみたいと思います。

ビッグクラブってなんだ?

先に申しておくと、ビッグクラブの定義はありません。
非常に主観的なものです。
ただひとつの指標としてあげるなら「G-14」があります。

G-14は、かつてヨーロッパの主要サッカークラブにより構成されていた圧力団体のひとつである。「ヨーロッパビッグクラブ連合体」とも呼ばれ、欧州サッカー連盟(UEFA)と国際サッカー連盟(FIFA)に対して、様々な要求を行っていた。
2008年1月15日、UEFA及びFIFAと和解し解散した。UEFA加盟53の国や地域から103のクラブが、新たに設立されたECA(European Club Association 欧州クラブ協会)へと移行した。

(クラブ一覧)
スペイン  :レアルマドリード、バルセロナ、バレンシア
イングランド:マンチェスターユナイテッド、リバプール、アーセナル
イタリア  :ユベントス、ACミラン、インテル
ドイツ   :バイエルンミュンヘン、ドルトムント、レバークーゼン
ポルトガル :ポルト
オランダ  :PSV、アヤックス
フランス  :パリサンジェルマン、マルセイユ、リヨン

Wikipwdiaより引用

G-14は2000年に設立され、2008年に解体された団体です。
当時と今とではサッカーの成績や経営状況が違うので、なんでここにいるの?というクラブもあるかもしれません。
非常に主観的ではありますが、ビッククラブの条件をまとめるとこんな感じでしょうか。

①歴史と伝統がある
②タイトルの獲得が多い
③収入が多い
④世界的に地位や名声がある

今の感覚で言えば、チェルシー、マンチェスターシティあたりを入れたい気もします。
逆にバレンシア、レバークーゼン、アヤックスあたりは外れてもおかしくありません。
特にアヤックスは国内は最多の26回、CL(チャンピオンズカップ時代含む)は4回制していますが、最後に優勝したのは1995年です。
資金力的にはプレミアリーグの下位クラブに劣る場合もあり、ビッグクラブというよりは「育てて売る」クラブの認識の方が強いと思います。


「ビッグクラブ」の定義は近年のタイトル獲得数やCLでの成績等によって大きく左右されると言えます。

Jリーグクラブとビッグクラブ どれくらい差がある?

Jクラブとビッグクラブはどれくらい差があるのでしょうか?
上にあげた条件を順を追って見てゆきましょう。

①歴史と伝統がある
Jリーグは出来て30年弱です。上記クラブで一番新しいクラブはパリサンジェルマンですが、設立年は1970年。
歴史と伝統、これはしょうがない面です。簡単に埋められる差では無いので少し目をつぶりましょう。

②タイトル獲得数が多い、④世界的に地位や名声がある
これも主観が入る項目ですが、ヨーロッパのクラブで言えば「リーグ優勝が多い&CLを獲得した事がある」がマスト条件でしょうか。
CLをACLに置き換えてJクラブのタイトル数をまとめると以下になります。

クラブ名リーグ天皇杯リーグカップACL合計
鹿島856120
G大阪24219
浦和13228
横浜FM42107
磐田31217
東京V22307
川崎31105
11204
FC東京01304
広島30003
名古屋12003

国内3大タイトル(リーグ、天皇杯、Jリーグカップ)+ACLを主要タイトルとして考えると、鹿島が1位G大阪が2位になります。

特に地位や名声の部分を高めるには国際タイトルが必要不可欠。
ACLの成績まで考えると鹿島、G大阪、浦和、磐田が該当します。

ただ、ここ10年の磐田の国内での成績はお世辞にもビッグクラブという成績ではありません。
タイトル数と地位名声で言えば、鹿島G大阪浦和が該当すると言えそうです。

③収入が多い
ヨーロッパのビッグクラブと収入面で差があるのは皆さん周知のとおりだと思いますが、具体的にどれくらい差があるのでしょうか?
まずは2018-19シーズンのビッグクラブの売上額を見てみましょう。

ドルなのでピンと来ませんが円に換算すると1位のバルサは約970億円です。いやはやすごい。

続いてJリーグ。
Jリーグホームページより拝借してきました。


詳細気になる方はこちらを見てください⇒https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h31kaiji_001.pdf

1番は神戸の114億円。これはJクラブ過去最高額です。
ビッグクラブの条件を満たしていた鹿島、G大阪、浦和はというと・・・

鹿島:67億円、G大阪:55億円、浦和:82億円

正真正銘のケタが違います。

この為Jリーグは資金面での改革を進めています。
その一環としてDAZNとの契約と賞金アップ、理念強化分配金等、順位が上になるほど多額の賞金がもらえかつ数年にわたって分配金ももらえるようにしたわけです。

理念強化分配金とは

2020年現在、コロナ禍により停止していますが「共存から競争へ」を合言葉に1位のチームは3年間で15.5億、2位は7億もらえるものです。分配金を増やすことで頑張ったクラブは頑張った分だけ安定的に資金を手にすることができるようにしました。

Jリーグ側から各クラブへのメッセージ

先に述べたとおりビッグクラブになる道乗りは中々厳しいです。
DAZNとの大型契約もあり収入は増えた各クラブですが、ビッグクラブと比較するとまだまだ。
ただDAZNとの契約や理念強化分配金もあり、Jリーグが積極的にビッグクラブを作ろうとしているという報道もありますが、私の中ではやや違和感があります。
それは理念強化分配金の目的の報道が少ないからです。

理念強化分配金は自由に使えるお金では無く、Jリーグ側が提示する目的に沿った使われ方しなければなりません。目的は以下の通り。

① 日本サッカーの水準向上およびサッカーの普及促進
② 若年層からの一貫した選手育成
③ フットボール環境整備
④ 選手や指導者の地域交流および国際交流の推進ならびにスポーツ文化の振興

①~④を見て皆さんはどう捉えますか?
選手育成、環境の整備、フットボールの普及促進など地味だけどとても大事な方向へお金を使って欲しいJリーグ側のメッセージだと思ってます。
地に足のついたJリーグらしい基準だと思いませんか?

ビッグクラブを作りアジアの中で競争力をつけたいという想いを持っている人は多いと思います。
ただそれもこれもまずは育成と環境、サッカーの普及が先決!というのがJリーグの考え方。
私もこの考えに大賛成です。
冷静に考えたら、上に出てるビッグクラブは育成力や環境もトップクラスですよね。

お金さえあればスター選手を連れてくる事は割と簡単にできるかもしれませんが、スター選手を育成する方が時間がかかり難しいです。ただ育成には再現性があるのでノウハウが蓄積されれば有力選手をどんどん排出する事が出来ます。

まずは時間のかかる方からじっくりと
Jリーグの発展に期待します。


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少年サッカーからワールドカップまですべてのサッカー・フットボールを愛しています。
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