良いサイドバックの条件とは?

ポジション理論

皆さんサッカーを見ていて、実際にプレーをしていてこのサイドバックうまいなあ、いいなぁと思う選手は居ますか?

実際にプレーをしている人には自分のプレーを見直す機会として、サッカー観戦が好きな方は観戦時の押さえておきたいポイントとして、サイドバック経験者の私から良いサイドバックについて説明をしていきたいと思います。

サイドバックの必要な能力

ピッチを上下動できるスタミナ

1試合に何度もスプリントをしなければならないのはサイドバックの宿命です。攻撃時は相手陣内のコーナーフラッグ付近まで攻撃をサポートし、それが終われば自陣まで全速力で戻る。どんなプレースタイルでもスタミナは必須の能力です。

最低限抜かれない守備

サイドバックはディフェンダーです。自分の後ろに人は居ません。実際の試合ではドリブルの得意なサイドハーフや快速ウイング、飛び出しのうまいFWとマッチアップの可能性が高くなります。1対1で取り切れるに越したことはありませんが、まずは抜かれない、体負けしない事が求められます。自分のところで取り切れなかったとしても、カバーに入ったメンバーが取りやすいようなしつこい守備が必要です。

ロングキックの精度

フィールドプレーヤーでFWから一番遠い位置に居るのがサイドバックです。攻撃面でチームに貢献したいのであればロングキックの精度は欠かせません。サイドチェンジしかりゴールへ直結するクロスしかり、試合の中でロングボールをけれたほうが良いケースは多々あります。キーパーとディフェンスの間に速いグラウンダーのクロスを上げる、ヘディングが得意な選手にピンポイントで合わせるなど状況に応じたキックができる事も必要になります。

ディフェンスとしてのコミュニケーション能力、コーチング力

センターバック程ではありませんが、コミュニケーション能力やコーチングをする力は必要になります。サイドバックはディフェンスラインの端にいるため、ラインの全体を見渡せます。ディフェンスラインの統率というとセンターバックのイメージがありますが、オフサイドトラップの仕掛けに関してはサイドバックの方がやりやすいです。サイドバックはディフェンダーなので組織として守備をする、そのためにコミュニケーションを取り合うことが必須になってきます。

無くても良い能力

どんなメディアでも必要な条件は良く書いてますが、不要なものは意外と書いてくれてません。皆さんの気づきになればという事で無くてもよい能力も紹介します。

ボールを保持しつつ相手を背負う事 

いわゆる時間を作るプレーだったり、ポストプレーの類はさほど重要ではありません。そもそも試合の中で相手を背負ってボールを受けるシーンがほとんどありません。ボールを持つ際に後ろに人は居ない、片側はタッチライン際なので前向きにボールを持てる事がほとんどです。

逆に言うとポストに入るのが苦手なFWやトップ下の人はサイドバックにポジション替えしてみるのも一つの手です。ディフェンスでのタスクは増えますがほぼ必ず前を向いてパスを出せるので、あなたの良さが生きてくるかもしれません。

ちなみに前線のポジションからサイドバックにコンバートされて花開いた選手は多くいます。

 内田 篤人(元日本代表)

 福田 湧矢(ガンバ大阪)

 ファン クアドラード(ユベントス)

身長

あった方が良いですが、無くても全然問題なし。小柄なドリブラーと対峙すると大柄なサイドバックだとに懐に入られやすい可能性もあります。身長は無くても悲観する必要は全くありません。

スピード

こちらもあった方が良いですが、無くても全然問題なしです。適切なタイミングでオーバーラップ出来ればスピードは必要ありません。スピードより試合全体を読む力を鍛えましょう。

サイドバックとしてプレーする際の心構え

我慢と気遣いができる選手が重宝されます。

というのも、攻撃はすべてに絡めるわけでは無く、状況をよく考えて攻め上がらないといけません。やりすぎるとディフェンスラインに「穴」を作ってしまいます。私は良く穴を作ってしまってチームに迷惑をかけてしまいました。

「今は逆サイドの選手が攻撃参加しているので、守備へウエイトを置こう」

「攻撃の枚数が手薄なのでサポートにいこう」

我慢と気遣いが非常に大切になってきます。

お手本にしたい選手

・ヨシュア キミッヒ(バイエルンミュンヘン)

とにかく賢い選手です。ずば抜けたスピードも大きな上背もありませんが、試合を読む力が的確なので攻守ともにいて欲しいところにだいたい居ます。キック精度とボールコントロールはとてもうまいのでバイエルンでもドイツ代表でもレギュラーです。普通の体格、普通の脚力でもここまでのプレーができる最たる例です。お手本にしましょう。

山根 視来(川崎フロンターレ)

Jリーグからあえて一人紹介。対人守備とドリブル、タイミングの良い抜け出しが得意な選手です。

彼のコンバート歴は面白く、

サイドアタッカー ⇒ 3バックのストッパー ⇒右サイドバック とコンバート

コンバートを繰り返した事で今のプレースタイルになりました。対人守備がしっかりできるところがとても良いです。そしてサイドアタッカー出身ということもあり抜け出しとドリブルは一級品。サイドアタッカーのままであれば平凡な選手だったかもしれませんがDF力がつきとても良い選手になりました。攻撃参加のタイミングはお手本にしたいところです。

最後に

内田篤人が引退直後にサイドバックの良さについて語ってました。

少ない選択肢の中から攻撃をチョイスするのは自分に合っていた

攻撃時の選択肢は多くないサイドバックですが、そこが起点となって点に絡めた時は何とも言えない快感があります。

プレーヤーの方は自分のスタイルを前面に出したサイドバックに是非なって下さい。

観戦が好きな方はスタジアムに行き、1試合通してサイドバックに注目してみてください。 きっと世界が広がりますよ。


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