皆さん、ラ・リーガ1部に所属するエルチェというクラブはご存知ですか?
日本ではなかなか情報が入りにくいクラブですが、非常に興味深いクラブです。
今回は2020-2021シーズンから1部で戦うエルチェにフォーカスしたいと思います。
クラブ概要
エルチェ・クルブ・デ・フトボル(Elche Club de Fútbol)
創設年:1923年
ホームタウン:バレンシア州アリカンテ県エルチェ
スタジアム:マヌエル マルティネス バレーロ
スペイン南東部に位置するエルチェをホームタウンにしています。
人口22万人で日本の調布市やつくば市、呉市とほぼ同じ。
面積は名古屋市や相模原市ほどあります。日本人的にはゆったりとした街といえるのではないでしょうか!?
なお気候は温暖で雨はあまり降りません。
場所はこちらです。
スタジアムの雰囲気はこんな感じです。中々の乾燥地帯にあります。収容人数は33,732人でスペインでも11番目の大きさです。


エンブレム紹介
エンブレムを見れば、街の歴史がわかるのがヨーロッパクラブの特徴です。
簡単にご紹介。

1番上には世界無形文化遺産の「エルチェの神秘劇」に出て来る天使です。
エルチェの神秘劇とはキリスト教の宗教劇の事で、エルチェの街で昔々から伝承されている劇になります。
昔々っていつからだよ!って思う方も居るかと思いますが、ざっと13世紀頃でモンゴル帝国全盛期の頃です。日本で言うと鎌倉時代くらいです。
なお、天使の肩から出ているギザギザのものはヤシの葉です。
ヤシの葉が描かれているのは、エルチェの街がヤシの木で有名なのに由来します。
街にあるヤシ園は紀元前5世紀頃から植えられるようになったとの事で世界遺産になってます。紀元前5世紀頃は日本でいうと縄文時代です。ちなみにヤシ園の面積は144万㎡。ディズニーランド+ディズニーシーよりもデカいです。
世界最強のヤシ園です。
真ん中の建物は砦です。エルチェと周辺の街には要塞のような城(アルタミラ城、サンタバルバラ城など)が現存しています。イスラム帝国やローマ帝国など、昔から侵略が数多くあった為ですが、街のシンボルとして描かれております。
1番下の建物は神殿です。
エルチェの街の起源がローマまで遡る事を意味しております。
ローマの神殿を模してますが、昔ローマ帝国に支配されていた事に由来してます。
非常に歴史が古く自然豊かな街である事がエンブレムからわかります。
クラブの歴史
1923年に設立してからはテルセーラ(3部)とセグンダ(2部)が主戦場でした。
最盛期は1960年代。
1959-1960シーズンから1970-1971シーズンまでプリメーラ(1部)に所属。
1968-1969シーズンにはコパデルレイ準優勝を経験します。
しかし、その後はプリメーラ定着はいかず再び2部、3部が主戦場に。
財政難もあり1部定着は遠ざかっておりましたが、2020-2021シーズンより再び1部に帰ってきました。
プレーオフでサラゴサ、ジローナを破っての昇格なのでクラブに勢いがあります。
この勢いで1部定着といきたいところです。
ここに注目せよ!
2019-20シーズンは6位で何とかプレーオフに滑り込み。
プレーオフでは格上のチームをなぎ倒しの昇格を勝ち取りましたが、シーズン終了後に1部仕様に選手と監督を強化。
チーム戦術はパスを後ろからきっちり繋いで崩していくスタイルです。
監督 ホルヘ アルミロン(アルゼンチン)
現役時代は主にアトラス、モレリアといったメキシコのクラブでプレー。ポジションはボランチでした。
監督としてはメキシコや母国でキャリアを積み、ラヌース時代(2016年)にはアルゼンチンリーグ、カップ戦2つを獲得。
パスを繋ぐスタイルにこだわりを持っており、バルサやマンチェスターC、横浜Fマリノスといったクラブとスタイルが似ています。
GKからショートパスでつないでビルドアップしていくイメージです。
MF 4 イバン マルコーネ(アルゼンチン)
エルチェの心臓の様な存在。
彼から全ての攻撃が始まります。
アルゼンチンの名門、ボカジュニオルスからのローン移籍で2020年8月より加入。
長短の的確なパスでゲームを組み立てます。
30歳を越えての欧州挑戦ですが、良いパフォーマンスを見せてくれそうです。
MF 10 ペレ ミジャ(スペイン)
プレーオフに決勝ゴールを決めた攻撃の核。
足元の技術が高く、中盤でタメをつくれるレフティ。
得点力もあるため代えの効かない選手です。
FW 7 ニノ(スペイン)
チーム最年長の40歳。2008-09シーズンではセグンダ(2部)で得点王を獲得。
2019-20シーズンも40試合に出場した現役バリバリ、プリメーラでの経験も豊富な精神的支柱です。
2020-21シーズンは途中出場がメインになりそうですが、ここ1番の勝負強さには注目です。


クラブ経営にも注目!?
サッカー面意外にも、実はオーナーとCEOにも注目したいクラブです。
オーナー
クリスティアン ブラガルニク
アルゼンチンの超大物代理人で、100人近くの選手を抱えており、監督も顧客にもちます。
2019年の12月にオーナーになってから、良くも悪くもチーム強化に介入して来ました。
チーム内にアルゼンチン人が多いのもこのため。
自分が担当する選手ばかり連れて来るのでは⁉︎との懸念もあり賛否両論です。
そんなやり手のオーナーですが、移籍期間にはアルゼンチンの隠れた実力者を連れて来る可能性大です。
CEO
パトリシア ロドリゲス
エイバルでラ・リーガ初の女性CEOとなった方。財政難で苦しむクラブが白羽の矢を立てた形で2019年5月に就任。
就任後は50億近く膨らんでいた負債を徐々に返済し、チームも1部昇格。クラブ改革に奮闘中です。
現在はデジタル分野や女子チーム、アカデミー強化など地に足を付けた経営ビジョンを見せています。
いかがでしたか?
躍進を続けるエルチェに今後も注目です!



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