高校サッカー選手権大会(部活)が盛り上がるのはなぜか?

育成

突然ですが、年末年始の日本サッカーのイベントと言えば何を思い浮かべますか?

恐らく多くの人が、天皇杯と全国高校サッカー選手権大会と答えると思います。
女子の場合は皇后杯と全日本高等学校女子サッカー選手権大会が大イベントではないでしょうか?
そんな中、以下大会がひっそりと行われていました。

日本クラブユースサッカー選手権 (U-18)大会(通称:クラ選)
開催期間:2020/12/25(金)~2020/12/30(水)
優勝チーム:サガン鳥栖U-18

クラブユース日本一を決める大会です。クラブの高校年代ナンバーワン決定戦が実は行われていました。
高校年代日本一を決めるという意味では高校サッカー選手権と同じですが、注目度は正直ありません。
百聞は一見に如かず、決勝のハイライト動画を以下に張りましたので見てください。

高校サッカー選手権の決勝の舞台が埼スタや国立だった事を考えると、見劣り感は否めません。
高校サッカー選手権は100年近い歴史があり、長年TV放送をされているので注目度が高いのは当然のことです。
ではクラ選をTV放送して高校サッカー選手権のような盛り上がりを見せる事はあるのでしょうか?

おそらく無いと思います。

レベルは高いのに不憫な気もします。

そこで、今回は高校サッカー選手権の人気の秘密と育成年代のこれからを考えてみたいと思います。

勝ち上がるまでのストーリーを想像しやすい

高校サッカー選手権の人気の秘密は長年のTV放送であるのは間違いないですが、本当にそれだけでしょうか?
私は以下もかかわっていると思います。

学校生活の一部として、部活動がどういったものか日本育ちであれば想像しやすい。

これは非常に大きいです。
日本で中学、高校年代を過ごし、登校した経験がある方は部活動が何たるかを想像できます。

・学校が終わった放課後に活動
・熱心な部は朝にも活動アリ
・強豪校は大所帯
・部活動に特化した推薦入学もある

こういった事は運動部出身で無くても容易に想像できますし、日本育ちの方は大多数が理解しています。そもそも部活動に所属経験がある方は男女問わず多いですし、部活動に入っていなかったとしても学校生活の中で見かけたり、聞いたりした事はあると思います。
それに毎日の生活の中で、部活動帰りの子って時折見かけませんか?
恐らく全国津々浦々どこでも見かける事ができます。
なおかつ47都道府県全ての代表が出る。
自分の地元に近しいチーム、親しみがあるチームは1つくらいは出てる可能性が高いです。

「厳しい練習をしてレギュラー争いをしてピッチの上で頑張っているんだ」
「強豪校だから越境入学して寮生活してるのかな」
「俺も昔は部活頑張っていたなあ」

そんなストーリーを想像しやすいのです。
人によっては自分の経験と重ねる方もいるかもしれません。

サッカーに限らず、「甲子園」「春高バレー」「バスケのウインターカップ」
全て同じ構造です。

クラブユースってなんだ?

一方のクラブユースはというと、

存在は知ってるけどよくわからん・・・。

という方がほとんどだと思います。

年代で言うとユース⇒高校生、ジュニアユース⇒中学生という位置づけです。

ユースの中心はJクラブの下部組織やアカデミーが多いですが、Jリーグに属さないクラブ(いわゆる街クラブ)もたくさんあります。

代表的なところで言うと・・・

塩釜FC(宮城)
三菱養和SC(東京)
愛知FC(愛知)
センアーノ神戸(兵庫)

特に三菱養和はディサロ 燦 シルヴァーノ 選手(清水)や相馬 勇紀 選手(名古屋)など多くのプロ選手を輩出してます。

基本的にクラブユースの活動は学校生活とは全く別
課外活動なので、経験者で無いと想像がつきにくいです。

また日常生活の中でクラブユースの子を見る機会も中々ありません。
クラブユースは少数精鋭で構成されており、1学年10~20人程、全体でも30人前後です。
入団に当たってはスカウトやセレクション(試験)があり、ジュニアユースからユースへの昇格も全員出来るわけでは無く、誰でも入れるわけではありません。
(本田 圭佑 選手がガンバ大阪ユースに、中村 俊輔 選手が横浜マリノスユースに昇格できなかった話は有名です)
この為、必然的に見かける機会は減ります。
ちなみにこの中でトップチーム(プロ)に上がれるのは1学年1~2人、昇格者無しの年もザラにあります。
かなり厳しい世界です。


そんなクラブユースですが、地方の田舎町出身の私にとってはなかなか想像がつかない世界でした。
社会人になり大阪で生活をし、草サッカーに参加した際、たまたまガンバユースやセレッソユースの子達の試合を見る事が出来ました。
今でこそクラブユースの存在も徐々に知れ渡ってきてますが、30歳以上の方にとってはまだまだ「部活」が全盛期だった世代。
特に地方出身者であればクラブユースはどうしても遠い存在になってしまいます。

ちなみにユースとは何かをユース出身選手(酒井 高徳選手、西 大伍選手、小川 慶治朗選手)が語ってくれている動画があります。聞き手は那須 大亮元選手(鹿児島実業出身)で部活とユースの違いがよくわかります。40分以上とかなり長めですが、お時間のある時に見てください。ユースに対しての印象が変わると思います。

コンテンツとしては高校サッカー選手権の勝ち

同じ高校生のサッカー日本一を決める大会としてはクラ選も高校サッカー選手権も非常に大切な大会です。
ただ今の日本においては部活経験者(サッカーに限らず)が圧倒的に多いので、視聴者目線で見ると高校サッカー選手権の方が親しみやすく、感情移入しやすいです。
クラブユースもレベルは高いのですが、「親しみ」という点では見劣りしてしまいます。

テレビ的な「コンテンツ」として見ると高校サッカー選手権はオイシイのです。

クラブユースの大会は同じサッカーを真剣に取り組んで、レベルも高い大会なのに注目度が低いので第三者的には不憫さを感じてしまいます。

クラ選、高円宮杯、Jユース杯(クラブユース3大タイトル)

これらの注目度をアップさせる事で観客動員を増やし、「大舞台」作る事で選手へもっといい「経験」を積ませたい

これが私の意見です。


まずはトップチームのサポーターを育成年代まで見てもらうように取り込んでいく事が必要かもしれません。
皆さままずは各クラブのユース、ジュニアユースの情報チェック、JFAサイトでの育成年代の試合をチェックしてみてください。
未来のスターを目撃できるかもしれません。


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夜のランチタイムキックオフ

少年サッカーからワールドカップまですべてのサッカー・フットボールを愛しています。
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